単孔式腹腔鏡下鼠経ヘルニア修復術について
当院ではより整容性に優れた単孔式TEP法を鼠径ヘルニアの標準術式として行なっております。
整容性について
鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡手術にはTAPP法(Trans-Abdominal Pre-Peritoneal repair)、TEP法(Totally Extra-Peritoneal repair)の二通りの方法があります。これらの手術では通常3箇所の傷で手術を行います。
我々は鼠径ヘルニアなどの良性疾患の治療は小さな傷で傷跡が残りにくいことが望ましいと考えており、一般的な3箇所の傷ではなく臍の1箇所の傷で手術する単孔式TEP法を標準術式として行なっています。臍の窪みの中を1.5cm以下で切開するため、臍内部以外には傷が残りません。臍内部の傷は術後2ヶ月程度で目立たなくなり、半年でほぼ消失します。
我々は鼠径ヘルニアなどの良性疾患の治療は小さな傷で傷跡が残りにくいことが望ましいと考えており、一般的な3箇所の傷ではなく臍の1箇所の傷で手術する単孔式TEP法を標準術式として行なっています。臍の窪みの中を1.5cm以下で切開するため、臍内部以外には傷が残りません。臍内部の傷は術後2ヶ月程度で目立たなくなり、半年でほぼ消失します。
図示:赤線が切開創
安全性・再発率の低さについて
鼠径ヘルニアに対して推奨される外科治療に関して、腹腔鏡手術を十分に習熟した外科医が実施する場合には腹腔鏡手術が推奨されています(2024年発行の日本ヘルニア学会のガイドライン第2版)。
2021年の内視鏡外科手術に関するアンケート調査(第16回集計結果報告)で鼠径ヘルニア再発に関するアンケート調査が行われました。回答が得られた施設での症例を集計した結果、2020〜2021年の2年間の鼠径ヘルニア38316例のうち腹腔鏡手術は23327件(60.1%)でした。腹腔鏡手術の内訳はTAPP法は19421件(50.8%)でTEP法は3906件(10.2%)とTAPP法がTEP法より5倍施行されており、再発率はTAPP法が3.0%でTEP法が0.4%とTEP法が優れていました。この結果について我々は、両術式を比較したときに、TAPP法の方が導入が容易であるが故に若手外科医の修練の場となっている可能性があり、TEP法はより熟練した技術を要するため少数のエキスパート医師が手術を行っていることを反映しているものと考えています。
当院での統計データ(2013年〜2023年)は腹腔鏡施行全症例864例中、再発1例(0.1%)、メッシュ感染1例(0.1%)でゼロではありませんが、ゼロを目指して今後は手技の改良に取り組んでいく所存です。
2021年の内視鏡外科手術に関するアンケート調査(第16回集計結果報告)で鼠径ヘルニア再発に関するアンケート調査が行われました。回答が得られた施設での症例を集計した結果、2020〜2021年の2年間の鼠径ヘルニア38316例のうち腹腔鏡手術は23327件(60.1%)でした。腹腔鏡手術の内訳はTAPP法は19421件(50.8%)でTEP法は3906件(10.2%)とTAPP法がTEP法より5倍施行されており、再発率はTAPP法が3.0%でTEP法が0.4%とTEP法が優れていました。この結果について我々は、両術式を比較したときに、TAPP法の方が導入が容易であるが故に若手外科医の修練の場となっている可能性があり、TEP法はより熟練した技術を要するため少数のエキスパート医師が手術を行っていることを反映しているものと考えています。
当院での統計データ(2013年〜2023年)は腹腔鏡施行全症例864例中、再発1例(0.1%)、メッシュ感染1例(0.1%)でゼロではありませんが、ゼロを目指して今後は手技の改良に取り組んでいく所存です。
鼠径ヘルニアの入院期間について
近年は日帰り手術を行う施設が増えてきており、当院も入院期間短縮に努めています。当院では80代以上の高齢者や併存疾患等のリスクを有する患者様に対しても標準的に全身麻酔下の腹腔鏡手術を第一選択としており、周術期の安全性を担保するために2泊3日の入院手術を行っています。