脳神経外科
診療方針
当院の脳神経外科は昭和45年の開院以来、西播磨地域の脳神経外科医療をリードしてきました。脳神経疾患の急性期から回復期、リハビリテーション、疾病予防、健康増進に神経内科と連携して取り組んでいます。
当科の治療対象疾患は、クモ膜下出血・脳出血・脳梗塞などの脳血管障害、原発性および転移性脳腫瘍、頭痛、顔面痙攣、特発性三叉神経痛、てんかん、脊髄・脊椎疾患です。
手術治療以外にも定位放射線治療(ガンマナイフ)、保存的治療、リハビリテーションなど患者さんの状態に合わせて治療を行っています。
パーキンソン病や本態性振戦、ジストニア、書痙などには脳深部刺激療法(DBS)や定位脳手術による神経核凝固術、筋痙縮には脊髄刺激(SCS)やバクロフェン持続髄注(ITB)療法、神経縮小術などの外科的治療やボツリヌス療法を行います。神経障害性疼痛などの薬物のみで対応できない慢性難治性疼痛に対しては 脳・脊髄刺激療法(MCS、DBS、SCS)で痛みの緩和を目指します。特発性三叉神経痛や半側顔面痙攣に対しては神経減圧術(MVD)を行います。機能神経外科の分野の治療について経験が豊富であることが当科の特色です。
当院におけるこれらの治療は経験豊かなスタッフが全員で治療方針を検討して行っています。
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診療実績
以下の表に主な疾患に関する手術件数を提示しております。
脳神経外科手術件数 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | |
---|---|---|---|---|---|---|
脳腫瘍 | 開頭腫瘍摘出術 | 17 | 13 | 12 | 6 | 9 |
生検・嚢胞穿刺等 | 4 | 1 | 3 | 1 | 5 | |
経蝶形骨洞腫瘍摘出術 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | |
脳動脈瘤 | 破裂脳動脈瘤手術 | 5 | 1 | 0 | 0 | 0 |
未破裂脳動脈瘤手術 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
脳動静脈奇形摘出術 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
高血圧性脳内出血 | 開頭血腫除去術 | 0 | 1 | 1 | 1 | 1 |
定位的血腫除去術 | 1 | 0 | 0 | 2 | 1 | |
外傷性頭蓋内血腫除去術 | 1 | 3 | 2 | 0 | 0 | |
減圧開頭術 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | |
内頸動脈血栓内膜剥離術 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
頭蓋内血管吻合術 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | |
頭蓋形成術 | 1 | 0 | 1 | 2 | 0 | |
水頭症手術 | 6 | 3 | 2 | 2 | 4 | |
脳室ドレナージ | 7 | 2 | 2 | 0 | 1 | |
穿頭洗浄術 | 42 | 42 | 36 | 43 | 45 | |
頭蓋内微小血管減圧術 | 1 | 3 | 1 | 2 | 3 | |
機能的定位脳手術 | 27 | 26 | 16 | 21 | 26 | |
頭蓋内膿瘍摘出術 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
その他 | 5 | 6 | 7 | 5 | 10 | |
脊椎・脊髄手術 | 前方除圧・固定 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
後方除圧・固定 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
腫瘍性疾患 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
血管内手術 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
手術総数 | 126 | 101 | 84 | 87 | 105 | |
ガンマナイフ | 104 | 100 | 79 | 85 | 84 | |
合計 | 230 | 201 | 163 | 172 | 189 |
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医師・スタッフ紹介
後藤 正樹
- 役 職
- 副院長
- 専門領域
- 脳神経外科一般(脳血管障害)
- 認定資格
- 日本脳神経外科学会専門医
- メッセージ
- 医療には難解な言葉が多いうえ、脳の病気、特に出血や梗塞などでは一刻を争って治療を開始しなければならないケースも多いのが事実です。また治療後も不幸にして、麻痺や言語障害等、社会生活・日常生活に大きなハンディキャップを抱えていかなければならない方も多数いらっしゃいます。そのような中で、患者さん・御家族が少しでも納得をして外来・入院治療を受けていただけるよう、心がけています。
松井 利浩
- 役 職
- 脳神経外科部長
- 専門領域
- 脳神経外科一般(脳血管障害・脳腫瘍)、機能神経外科、てんかん
- 認定資格
- 日本脳神経外科学会脳神経外科専門医
日本神経内視鏡学会技術認定医
麻酔科標榜医
- メッセージ
- 脳梗塞や脳内出血、クモ膜下出血などの脳血管障害、脳腫瘍の診断・治療だけでなく、不随運動症(パーキンソン病、ジストニア、本態性振戦、書痙)に対する 脳深部刺激療法や難治性疼痛に対する脳脊髄刺激療法、筋痙縮に対するバクロフェン持続髄注療法・神経縮小術、顔面けいれんや痙性斜頸に対するボツリヌス療法などの機能神経外科の診療も行っています。
てんかんの外科的治療適応の相談や薬物治療も行っています。
山田 高嗣
- 役 職
- 検査科部長
- 専門領域
- 脳神経外科一般
- メッセージ
- 脳血管障害及び外傷を含め、脳外科全般に対応いています。
地域医療への貢献を第一に患者さんには親切な対応を考えています。
中村 成夫
- 役 職
- 脳神経外科顧問
- 専門領域
-
- 脳神経外科疾患全般
- 脳卒中の外科
(妊婦~新生児~超高齢者の手術経験から一生を俯瞰、集学的治療) - 小児神経外科
(一生を俯瞰、教育・地域医療連携を重視) - 機能的神経外科
(発症メカニズムとADLを重視) - スポーツ医学
(長期のスポーツ指導、スポーツ外傷への対応) - 健康増進医学
(24年前健康増進医学講座を開講、将来は地球を健康にする大望)
- 認定資格
- 脳神経外科専門医
臨床研修指導医
健康スポーツ医
- メッセージ
-
生涯、学びの姿勢を忘れず、愛と情熱をもって診察します。
専門分野を中心に、全身・一生を視野に入れ、全人的治療を行います。
個々の患者さんには、 三段階の医療(健康増進医学→予防医学→治療医学)の総合力で対応します。- (1)健康増進医学(自然治癒力の掘り起こしを指導します。)
- (2)予防医学(他施設にはない only one の脳ドックにも注力しており、未病、無症候性脳疾患を早期に発見し、生活習慣の改善・予防的治療・原因治療を提案します。)
- (3)治療医学(救急医療・適時医療)によりADLの改善を目指し、地域医療連携(他施設の専門医、かかりつけ医)を重視しています。 市民公開健康増進講座(院内)を開講しており、出張講演・講座(院外)も積極的に行っています。